「料理は化学です」という口癖の主人公は、驚くほどおいしくて やさしいごはんを作る自閉スペクトラム症の料理人・ありす。彼女と暮らす、心優しいゲイのシングルファーザー。幼い頃から彼女を守る、元ヤンの親友。そして、彼女の料理店に転がり込む、謎めいた不器用な青年。「もっと要領よく、うまく、生きていけたらいいのに」みんなが、そんな想いを抱えながら、明るくお互いの凸凹を埋め合い、支え合い、あったかい言葉とごはんで、絆を結ぶ物語。そして。その“やさしい世界”に波紋をもたらすありすの家族にまつわる過去の事件とは―――?この冬、生きづらさを抱えるあなたを癒やすすこし切なくて温かい、ハートフル・ミステリー、はじまります。